鉄道と旅 1970s
加古川駅のC12 1970年1月25日 [山陽本線]
加古川線から加古川駅に入線してくる貨物列車
▲加古川線から加古川駅に入線してくる貨物列車.
これから入れ替え作業に入る
▲上の貨物列車がまもなく停止し,そのあと入れ替え作業に入る.
入れ替え作業に入ったC12 167
▲入れ替え作業に入ったC12 167.
 蒸気機関車の名所として,その当時知られているところはたくさんありましたが,小さなローカル線にもまだまだたくさんの蒸気機関車が現役として活躍していました.加古川線もその一つです.加古川線の旅客列車はディーゼル車だったと思います.そして時々C12の引く貨物列車が走っていたように記憶しています.

 加古川駅に降り立ちますと,C12 167の牽引する貨物列車が,加古川線から入線してきました.そして貨物を切り離し,入れ替え作業に入ります.

入れ替え作業を見ている加古川駅の乗客たち
▲入れ替え作業を見ている加古川駅の乗客たち.C12 225.
加古川駅の南側の風景とC12 225
▲加古川駅の南側の風景とC12 225.加古川駅は今でこそ賑やかになっているが,当時は何もなかった.
 電車が来るのを待ちながら,たくさんの乗客たちが,みんな,加古川駅でのC12の入れ替え作業を見ています.この当時は西明石以西への快速しか,加古川まで来る電車がなかったので,本数はとても少なく,みなさんは待ち時間の退屈をこうやって過ごしていたのでしょうね.女性まで見ているのがなんとものどかです.

 ご存じかと思いますが,C12の"C"とは動輪が3つという意味です.4つなら"D"という記号になります.C12は石炭を積むテンダーを引いておらず,石炭は後部に積むようになっており,タンクと呼ばれます.C12は,そんな中でも小型のかわいいSLです.

動輪が3つあるのでCから始まる番号が付く.C12 167.
▲動輪が3つあるので"C"から始まる番号が付く.C12 167.
C12 167
▲C12 167.前後に補助輪が1つずつあるので,こういうのを1-C-1と呼ぶ.
C12 167.
▲C12 167.テンダーを引いていないので,タンクと呼ぶ.バック運転はしやすい.
 加古川線にこのC12を撮影に行こうと何度か考えたことがありました.でも,結局果たすことができませんでした.お隣の播但線の方がたくさんのSLが走っていて,生野峠という坂道もありましたので,迫力あるSL写真が撮れたからです.加古川線は,加古川に沿って走っており,平坦な線路が続く変化の少ないローカル線でした.

 で,播但線へ行く途中,加古川駅に立ち寄り,撮ったのがこれらの写真です.過ぎ去ってから,当時加古川線で写真を撮ることができたというチャンスが,今は非常に貴重なものに思えます.できるときにできることをやっておくというのは,こういった趣味に限らず,大切なことなんですね.

C12 167の前部.
▲C12 167の前部.
 ネットを調べてみると,このC12 167は,現在鳥取県の若桜鉄道で動態保存されており,今も動く状態でみなさんの目を楽しませているそうです.昔,何気なく立ち寄って撮影したSLが,今こうやって生き残っているというのは,本当に偶然ですね.機会があったら一度若桜鉄道に立ち寄って,このC12 167の勇姿を撮影してきたいと思います.

休息するC12 167
▲休息するC12 167.
 今日は旅と言えるほどのものではありませんが,ついでに立ち寄った山陽本線加古川駅のSLを紹介しました.